横浜は21日、DF金井貢史(かない・たかし=20)が、無免許運転による道路交通法違反で、神奈川県警の取り調べを受けたと発表した。18日夜、横浜市内で実施された交通検問で運転免許が失効していたことが発覚した。横浜は事態を重く受け止め、今季残り全試合の出場停止、年内の全体練習の参加停止などの処分を下した。金井は11月のアジア大会に臨むU-21(21歳以下)日本代表に選出されていたが、これも辞退した。

 金井は、18日午後10時ごろ、自分の車を運転中に横浜市内の交通検問で職務質問を受け、無免許だったことが発覚した。昨年8月に免許が失効したまま約1年2カ月間、運転を続けていた。神奈川県警水上署は、道路交通法違反の疑いで金井を摘発した。事件を同日深夜に知った横浜は、19日からクラブ幹部が処分内容などの検討に入り、親会社の日産とも話し合った上、この日、事件の経緯を公表し、処分も発表した。

 金井は、08年8月に免許を取得したが、09年4月に人身事故を起こした。事故当時はクラブに「軽い追突事故」と報告したが、実際は人身事故だった。この事故によって免許停止となったが、義務づけられている講習を受けず、同年8月に免許が失効していた。

 クラブから当面の自宅謹慎を命じられた金井は、この日も終日、自宅で過ごした。クラブを通して「社会人として、してはならないことをおかしてしまいました。自分の自覚の甘さを痛感しております。これから、生まれ変わったつもりで頑張り、2度と同じ過ちは繰り返しません」と謝罪のコメントを発表した。

 金井は今後も水上署による事情聴取を受けるが、横浜はその結果を待たずに、今季の残り全公式戦の出場停止と、年内のチーム全体練習の参加停止という極めて重い処分を科した。練習の参加停止期間中は原則、クラブハウス内の立ち入りも禁止した。また、嘉悦朗社長を含む幹部3人は減俸10%(3カ月)処分となった。

 金井は今季、おもにボランチでリーグ戦8試合に出場。安定した守備力を評価され、11月のアジア大会に出場するU-21の日本代表にも選出されていた。金井はこの日、クラブを通して、同代表辞退を申し出た。