日本代表は決勝トーナメント1回戦でブラジル代表に敗れ、頂点を目指した戦いを終えた。「最高の景色」には届かず、大会を去ることになった。その要因を探るべく、連載「見果てぬ景色」と題して複数回お届けする。第2回は、多くの議論を生んだメンバー選考の是非について。今大会はボランチを中心に多くの声が挙がった。森保監督の判断は正しかったのか-。

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5月15日のW杯メンバー発表前後から、最も注目をを集めたのはボランチの人選だった。2月に左足を負傷した遠藤がメンバーに入るのか、欧州CL8強のスポルティングで活躍する守田のサプライズ復帰はあるのか。以前は不動の存在とみられた2人の動向に、多くの人の関心が向いた。

森保監督の答えは、遠藤を招集して守田を呼ばないというものだった。本職のボランチは鎌田、田中、佐野の3人に、復帰を目指す遠藤を加えた4人。これによって「守田待望論」が噴出した。

しかし、結果的に論者たちの不安は杞憂に終わったと考える。鎌田と佐野の盤石コンビに加え、1次リーグ第2戦のチュニジア戦で先発起用された田中も驚異的なパフォーマンスを披露。圧巻の動きで中盤を制してみせた。

今大会では中4~5日と日程に余裕があり、決勝トーナメントに入ってからも中3日と、欧州で日頃からハードな連戦をこなしている選手には過酷というほどではなかった。鎌田は開幕前から「前回大会も3人で回していたし、今回は日程に余裕がある。ボランチの枚数が少ないなんて考えたことがない」と、不安の声を一蹴。その言葉通り、遠藤が抜けても3人で問題なくミッションを完遂し、瀬古起用のオプションも含めた「3+1」で臨んだ判断が正しかったと証明した。

もう1つの議論は、遠藤離脱が決まった際に町野が追加招集されたことだった。「ボランチが抜けるのに、なぜFW?」という声があふれた。この判断にも、ボランチを回せるメドが立っていたことが影響した。離脱したのは遠藤だったが、この時点での首脳陣の不安はボランチよりも、南野や三笘がけがでメンバーに入れなかったシャドー(トップ下)にあった。町野招集は、その位置を埋めるためのものだった

抱えていた不安は、その後の戦いで的中した。シャドーでは先発起用された伊東や前田が相手に嫌がられるプレーで貢献したが、彼らが先発で出ることで、得点が欲しい時に流れを変える切り札が不足した。1次リーグでは塩貝と鈴木唯が、大一番のブラジル戦では町野が出場。展開に応じて、選手の適性を見据えて起用した。裏を返せば状況に関係なく定めてカードを切るほどの優位性も3者にはなかった。

選手選考という意味では納得できるものだったが、久保まで離脱して徐々に広がったシャドーの不安。選考の正当性が最後に敗因の1つとなって証明されたのは、皮肉だった。【永田淳】