コンサドーレ札幌MF古田寛幸(19)が15周年の顔になる。チームは16日、北海道神宮で必勝祈願、札幌ドームでキックオフイベントを行った。チーム全陣容が発表され、昨季チームトップタイの5得点を挙げエースに成長した古田の背番号は「27」から「15」に変更された。クラブでは19歳の若手を創設15周年のシンボルに据え、全面的に売り出していく方針だ。

 古田が実力、背番号ともに札幌の看板選手になる。クラブ節目のシーズンを飾る新背番号「15」を授けられた。「15周年でもあるし、みんなに覚えてもらえるような活躍をしたい」。過去に「15」を背負った選手は10人いるが03年のFW森山以外は、いずれも守備的な選手たち。渋めの番号に古田がニューイメージを刻み込む。

 クラブの象徴として抜てきされた。札幌は96年に設立して今季で15周年を迎える。クラブ関係者は「古田にはメモリアルイヤーの顔になってほしいという願いがこめられている」と話した。このオフはMF西が鹿島、藤田が新潟へ移籍していった。下部組織出身としてチームの中心で活躍するイケメンドリブラーを前面に押し出し、生え抜き流出にさらされた負のイメージを一掃する。

 既に藤田から「王子は古田に継承したい」と告げられており、クラブでは「○○王子」のネーミング募集も検討中。日本ハムの“王子”こと斎藤佑樹に対抗する営業面での“1トップ”として、着々と古田を軸とした15周年コラボ企画を練っている。

 不思議な巡り合わせでもある。東川下少年団に所属していた小4のときにつけていたのが15番だった。「ちょうどプロを目指したのがその年だった。何か不思議な縁を感じる」と話した。それから10年。今年で20歳を迎える年に、ステップアップを図るという意味も込められている。

 10月のU-19アジア選手権で痛めた右ひざも順調に回復。リハビリが予定通りに進めば1月24日に始まるグアムキャンプで本格合流できる。地味な番号だからこそ「活躍してファンの人たちに“15は古田”という印象を焼き付けたい」と言った。昨季までの27はプロ野球元ヤクルトの古田敦也氏にちなんでつけられた。今度は自分で古田新伝説をつくっていく番だ。【永野高輔】