仙台が26日、鹿児島・さつま町で「日韓戦」の興奮冷めやらぬまま、キャンプ2日目をこなした。昨年10月「ザックジャパン」に初招集されたMF関口訓充(25)も練習の疲労が蓄積する中「自分だったらこうする」などと、想定しながらテレビ観戦。本来ならピッチに立っていたかった一戦を振り返った。

 関口はカタールのピッチに「立って」いた。疑似体験しながら日韓戦を見た。昨年10月、ともに練習、試合をした戦友がアジア杯を戦っている-。目に焼き付けた試合から5つのポイントに絞って、語った。

 (1)日本が1-1とした同点ゴール

 「本田(圭佑)がためて相手DFが寄り、長友が裏に抜けた瞬間にパスを出した。長友がドリブルしている最中に(前田)遼一さんがフリーになった。1点だけど10点満点の得点だった。ベストに近い。勉強になった」。

 (2)延長終了間際の失点

 「韓国のロングボールが収まっていた。嫌な雰囲気だった。試合間隔が短かった韓国だけど精神的に強い。(きっかけのFKを与えた本田拓は)足を出すより体をぶつけた方が良かったかも。でも審判によるよね。国際試合はそれを判断するのも大事」。

 (3)自分がもし延長戦までフル出場したら

 「Jリーグと国際試合は違うけど、ベガルタよりボールは回ると思うから守備の体力はロスしない。でもプレッシャーは上だろうから(消耗度は)同じかな」。

 (4)PK戦

 「本田(圭佑)は(試合中に)1本止められていたから嫌だったと思う。でもキッカーに選ばれている時点で光栄。そういう選手に(自分が)選ばれたら思いっきり蹴りたい」。

 (5)チームワーク

 「技術が高い選手ばかりだが一体感がすごい。ベガルタでもそうありたい」。

 日韓戦が始まる直前とハーフタイムに香川、長友、岡崎らに「携帯メールアドレス変更」を知らせるメールを送るほど、現地とつながっていた関口。昨年末の負傷(右膝内側側副靱帯=じんたい=損傷)がなければメンバーとして帯同していたかもしれない。だが今は焦らない。激戦を制した仲間たちの姿を焼き付けた関口の目には日の丸-世界の舞台がくっきりと見えている。【三須一紀】