J2札幌MF古田寛幸(19)が、10代ラストゴールで敵地初勝利を導く。今日21日、アウェーで鳥栖と対戦。5月23日に20歳の誕生日を迎える古田にとって、これが10代最後の試合となる。チームは今季、アウェー3戦無得点未勝利。ここは5得点中4点を敵地で決めてきた“遠征男”が本領を発揮し、昨年3月28日岡山戦以来419日ぶりの2連勝につなげる。

 古田が節目の1発で10代に別れを告げる。20日の直前調整は定位置の主力組右MFでプレー。今季5戦無得点と苦戦しているが「10代最後というわけじゃないけど、とにかく自分が満足するプレーで、試合を決定づけたい」と意気込んだ。宮沢が4日の草津戦、三上が15日の鳥取戦で得点した。主力組の道産子で無得点は古田一人。今度こそエース弾でチームを勢いづける。

 初連勝のためには敵地1号&1勝がどうしてもほしい。そこで頼りになるのが古田の存在だ。「本当は場所関係なく点が取れないといけないんですが」。昨季、5月30日の富山戦のプロ初得点こそホーム札幌厚別だったが、それ以外の4点はすべて敵地だ。今日21日の鳥栖の予想最高気温は30度近くまで上がる。相手サポーターや暑さというダブルの洗礼は、遠征を苦にしないハイティーンの1発で吹き飛ばす。

 20歳の誕生日を前に「ここを成長につなげるいい分岐点にしたい」と言った。鳥栖戦は自身の公式戦通算50試合の節目でもある。長いプロ生活の中では、小さな記録かもしれないが、10代で50戦に到達した札幌の選手はJ参入後ではMF藤田征也(23、新潟)しかいない。09年に高校3年でトップ帯同してから真面目に積み上げてきた努力の成果だ。

 今季はFW三上、DF櫛引、U-18MF荒野と、初めて後輩ができた。札幌ドームサブグラウンドでの練習には、選手寮から年下の3人をマイカーに乗せて来る。「サッカーでは厳しいですが、それ以外ではとても優しい先輩です」と荒野。3人のためにランチをごちそうするなど“アニキ”っぷりも発揮している。

 「年齢は成人を迎えますが、サッカーでは子どものように純粋に楽しむ気持ちを持ち続けたい」。18歳最後だった昨年5月22日徳島戦は前半で交代させられた悔しさもある。2度と来ない10代最終戦。猛然と仕掛け、昨年10月24日富山戦以来209日ぶりの敵地勝利を呼び込む。【永野高輔】