<J2:岡山1-0札幌>◇第26節◇26日◇カンスタ

 札幌の連勝が4でストップした。アウェーで岡山に完封負けを喫した。後半21分に失点。FWジオゴ(28)を封じられ、途中から内村圭宏(27)ら3人のFWを投入したが、得点にはつながらなかった。J2はこの1試合だけで、3位栃木との差は3のままだが、前節まで17位の下位チームに足をすくわれ、上昇ムードはしぼんでしまった。

 寂しい夏の終わりだった。蒸し暑い岡山の夜空に終了のホイッスルが響くと、札幌からやってきた300人のサポーターからため息がこぼれた。8月は前節まで3戦全勝と好調も、最後は無得点での敗戦。石崎信弘監督(53)は「雨が降った後でピッチが滑りやすかった。より技術が必要になると選手には伝えていたが、イージーなミスを繰り返してしまった」と敗因を挙げた。

 味気ない試合だった。互いにシュート10本を放つも、決定機は双方1、2回。札幌は前半7分に近藤がゴール前で相手DFからボールを奪ってGKと1対1のシーンをつくったが、決めきれず流れを逸した。「集中力の欠如というより、技術のなさとボールを奪った後の切り替えの部分に課題が残った」と指揮官。4連勝していた前節京都戦までは、内容が悪くても少ないチャンスを決め、勝ちきってきた。ゴールをこじ開ける執念が、この日は少しだけ薄れていた。

 ジオゴ封じにも苦戦した。岡山の影山監督は「予想以上に体が強く、てこずったが、最後までジオゴを起点にさせなかったことが勝因だと思う」と話した。攻撃のスタートとなる前線の軸を徹底マークされ、石崎監督は前半途中から左MF近藤をFWに上げ2トップに変えた。起点を増やして打開するはずが、それも機能しなかった。

 「かなり厳しいマークで自分のプレーを出せなかった。こんな気分はもう味わいたくない。みんなでボールを保持する時間をもっとつくることが大事」とジオゴ。MF宮沢は「ジオゴが狙われたときに、他の打開策を見いだしていかないといけない」と課題を口にした。07年以来4年ぶりの5連勝はお預けとなったが、敗戦からつかんだ課題を糧に、また一から出直せばいい。【永野高輔】