<J2:徳島0-2札幌>◇第7節◇26日◇鳴門大塚

 昇格圏再浮上!

 J2札幌がJ1昇格を争う徳島との直接対決を制し、4試合ぶりの白星を挙げた。後半6分にMF近藤祐介(26)が先制弾。同35分にMF内村圭宏(27)が2点目を決め、突き放した。勝ち点を56に伸ばし、昇格圏3位に再突入した。

 近藤が負の流れを断ち切った。0-0の後半6分、ジオゴからの縦パスを受けるとGKの位置を見定め左足で冷静にゴール左に流し込んだ。9月21日の東京V戦以来6戦ぶりのゴールは、伊恵夫人との結婚記念日を祝う最高の1発だった。「久々にとれてうれしいっす。妻からしろと言われてまして」と、左手の指輪に感謝のキスを贈った。

 24日ぶりの得点&勝ち点だ。近藤は前節鳥取戦で、自身のパスミスを奪われて決勝点を献上。ミニ合宿中も下を向くことが多く、石崎監督は「調子悪いとすぐ下を向く。それは良くない。ちゃんと上を向かんと」と諭した。気を取り直して臨んだ一戦。チームとしては実に横浜FC戦の上原の得点から323分、久々の1発で、恩師のJ通算450戦目に花を添えた。

 今季、ドイツ車から国産のハイブリッドカーに乗り換えた。「車はエコですけど、プレーはハイオク満タン、エンジン全開ですから」と言うチーム一の爆走王。これで唯一の公式戦全33試合出場と、チームには不可欠な存在となった。しかも前回完封勝利した9月17日北九州戦でも内村との“ウコン共演”だった。「ウッチーには負けたくないんでね」。沈み掛けた船を、猛牛近藤の馬力で、再び昇格圏に引き戻した。【永野高輔】