仙台MF梁勇基(30)が4月中の復帰へ意欲をにじませた。2月18日のタイ・ブリーラムPEA戦で右膝内側側副靱帯(じんたい)を損傷し、開幕戦出場は絶望的。さらにJ2時代の06年から続けてきた213試合連続出場が途切れる大黒柱だが、心は決して折れていない。チームは今日3日に神戸との練習試合(45分×3本、非公開)に臨むべく、2日にキャンプ地の宮崎を離れた。

 復帰のメドを問われた梁の言葉は力強かった。「4月の試合に絡みたいというのが、ひとつの目標。(それまで)チームが勝ってても負けてても、とにかく早く治したい部分は変わらない。いい状態の中に溶け込めればとは思ってるけど」。すでに手倉森監督が4月上旬の復帰見通しを示していたが、思いは同じ。今は膝周辺のトレーニングなどに取り組み「状態は良くなってる」と話す。

 「これからどうなるかは自分でも分からない。でも、確実に開幕はできない」。06年から213試合連続出場の鉄人だが、その記録が途切れる。昨季はフェアプレー賞にも輝いたクリーンでケガをしない、サッカー選手のかがみのような男。相手のラフプレーによる離脱にも「これから(記録を)言われることもない。記録のためにやってきたわけでもないし、(連続出場は)試合に出るためにいつも準備をしてきた結果だから」と恨み言ひとつ口にしなかった。

 プロ入り後初めての大きな故障。それでも「骨を折ったり、靱帯を切ったりしたわけじゃない。そんなに重く受け止めてないし、ケガをして自分が気づくこともあると思う」と前向きだった。

 離脱後はJ2山形との練習試合を観戦し、今日3日の神戸戦も同様。「外から見て学ぶ部分があると思う」と向上心にあふれる。唯一の心配の種は、帰仙後の交通手段。右膝を器具で固定しているため、車の運転ができるかは不透明だ。「無理だったら(渡辺)広大に送ってもらいます」。ニヤリと笑った目に、一切の悲壮感はない。【亀山泰宏】