2年連続で主将を務める仙台FW柳沢敦(34)が、リーグ開幕を目前に控えて“所信表明”した。「復興に向けて前に踏み出している中で、僕たちができるのはいいプレーをすることだけ。それが1歩踏み出す勇気とか、励みになればいい」。開幕戦の翌日で震災から1年がたつ。特別な思いを短い言葉に込めた。

 柳沢自身リーグ戦1得点に終わった移籍1年目から、復活への大事な年になる。昨年2度メスを入れた左膝の状態は「去年と比べたら雲泥の差。それが僕にとって一番幸せなこと」というほど良好。それだけに、今年こその予感が漂う。「チームがより進化していくために、よりいい順位、優勝を目指して勝っていくことが目標。個人的には、早くユアスタでゴールを決めたい」とホーム初弾を公約に掲げた。

 特別なシーズンの最初の相手が、古巣鹿島というのも因縁めいている。DF中田にMF小笠原や本山…。「一緒に戦ってきた仲間ですからね。敵ではあるけど、一緒のピッチに立てたらうれしい。負けたくないという気持ちもある」と闘志を燃やした。今季も希望の光を目指すチームの先頭に立つ男は、さまざまな思いを胸に3月10日のピッチを目指す。【亀山泰宏】