復興元年のJリーグは、仙台と鹿島という東日本大震災被災地同士の激突で幕を開ける。鹿島MF小笠原満男(32)は、同じ被災チームとして仙台とともにJを盛り上げることを約束。明日11日で震災から1年という節目を前に、復興への熱い思いをピッチで表現する。

 復興、そして勝利への思いを言葉に込めた。東日本大震災から1年。小笠原は「試合だけじゃなくて、何事にも勝てるように。いろいろな意味で。震災から1年。相手は仙台。いろいろな意味のある試合だから」と特別な一戦への意気込みを表した。

 物資支援やサッカー教室などのピッチ外活動だけでなく、一番はピッチ内での「躍動」だと分かっている。昨季はナビスコ杯を制したもののリーグ6位。「被災地の方々を励ましたかったのに心配をかけてしまった」。今季は結果を残すことも不可欠と考えている。

 昨年3月11日は、同12日のアウェー清水戦に備えて東京駅へバスで移動中に被災。長時間をかけて真夜中に鹿嶋市へ帰った。高校時代に慣れ親しんだ岩手県大船渡市も甚大な被害を受けた。いみじくも今季の開幕戦は今日3月10日。「今までと違った意味のある特別な開幕戦になると思う」。

 「個人的には仙台と一緒に頑張りたい。まだ復興へ手助けが必要な人はたくさんいるから、お互いに優勝争いに絡んで長い目でも一緒に頑張っていきたいと思う」。鹿島の「闘将」は思いの丈を開幕戦のピッチで体現する。【菅家大輔】