清水は左膝の靱帯(じんたい)を伸ばし前節欠場したFW高原直泰(32)が13日、9日ぶりにチームに合流し、対人プレーを含めた全メニューを消化した。

 ホーム開幕戦を前に、頼もしい男がピッチに帰ってきた。名古屋戦後、1日のオフを挟んで練習を再開したチームに高原が合流した。2対2やシュート練習では軽快な動きを披露。時折笑みを浮かべながら、感触を確かめるようにフルメニューを消化した。「多少痛みがあるのはしょうがない。ただ、我慢して悪化することはない。もう大丈夫です」と、明るい表情で話した。

 4日に行われた専大戦で左膝の靱帯を負傷。全治10日と診断を受けた。昨季チーム最多タイの8得点を挙げ、今季も始動から実戦9試合で先発。順調に準備を進めてきたが、開幕戦のピッチには立てなかった。それでも長いシーズンを見据え、無理をせずに広島戦に合わせて調整を続けてきた。「最初からそのつもりだった。まずは、今日チームと一緒に練習できて良かった。ここから監督に使ってもらえるようにやっていく」と、力を込めた。

 10日の開幕戦でチームは一昨年の王者・名古屋を相手に主導権を握った。シュート数でも9対5本と上回ったものの、決定機で精彩を欠き0-1で敗れた。高原は「ここまで準備をしてきた通りのゲームができていたと思う。ただ、良い試合をしても結果が出ないのが残念な部分。攻撃陣がゴールを決めれば試合運びはもっと楽になるだろうし、自分の役割を果たせるように準備していきます」と、力強く言った。今、チームが一番必要としている「ゴール」をイメージしながらピッチを上げていく。【前田和哉】