仙台FW武藤雄樹(23)が、あの日の悪夢を振り払う。31日のアウェーC大阪戦の舞台は金鳥スタジアム。昨年12月17日、天皇杯4回戦では同じ場所で同じ相手に敗れた。特に武藤は途中出場から延長後半に先制点を決めながら、その後もつれ込んだPK戦で痛恨の失敗。昨季ラストゲームの悔しさを晴らすためにも、今季初ゴールを狙う。
天国から地獄へ-。あの時のことを、武藤は鮮明に覚えている。「PKを外して負ける原因になった試合ですからね。1年目でちょっとずつ試合に出られるようになって、うまくいきだして、点を取れて自信になった試合でもあるんですけど…」。先に浮かぶのは、やはり悪いイメージだ。
昨季最後の試合となった、天皇杯C大阪戦。武藤は後半22分に投入され、積極的な仕掛けで悪い流れを一変させた。延長後半8分には均衡を破るゴール。そのまま終われば文句なしのヒーロー。しかし、同点となって突入したPK戦では予想外に3人目のキッカーに指名された。バーをたたいたキックを「期待に応えようとしすぎて力んじゃった」と振り返る。「悔しかった。次で挽回しようとしても、もう来年にならないとゲームがないんですから」。試合後は涙を流し、モヤモヤを抱えて年を越した。
今回はリーグ戦とはいえ、同じシチュエーションでリベンジのチャンスが巡ってきた形だ。「決めないと(天皇杯の借りを)返せない」と燃えている。24日の大宮戦では、途中出場から太田の得点をアシスト。徐々にゴールに近づいてきた。今季の目標に10得点を掲げるだけに、そろそろ1点目が欲しい思いもある。
17日の横浜戦では鋭い飛び出しでPKを獲得。土曜日にもしかしたら蹴るチャンスも、という質問には首を振った。「その時は得意な人に任せます。僕は大学の時もPKを外したことがあるし、苦手だって分かりましたから」と苦笑い。あの時にはなかった自分を客観視できる落ち着きとともに、再び大阪に乗り込む。【亀山泰宏】



