プロ2年目、いよいよチャンスが巡ってきた。仙台DF原田圭輔(23)が、今日4日のナビスコ杯鳥栖戦(ユアスタ)でプロ初先発する可能性が高まった。3日の試合前日練習ではミニゲームで主力組の左サイドバック(SB)に入ってプレーし、精度の高いクロスを連発。プロの壁にぶつかって苦しんできたレフティーが、持ち味の攻撃力で道を切り開く。

 原田は練習後、手倉森監督に呼び止められていた。身ぶり手ぶりを交えてのディフェンス指導。これだけならよくある光景だが、この日はちょっと違った。「(スタメンが)あるかもしれないと言われました」。これまで出場は2月のタイ遠征ブリラム戦と3月20日のナビスコ杯浦和戦のみ。いずれも出番は後半途中からだった。2年目でのプロ初先発に「調子自体はすごくいい。スタメンで出るのが一番の目標だった。攻撃力が売りなので、ゴールに絡むプレーをしたい」と緊張気味に誓う。

 同じ左サイドで同期入団のFW武藤が先発するのも心強い。原田が「武藤が点を決めたら一番うれしい」と言い、武藤は「お互いつらい時期がありましたからね」と笑う2人の仲。振り返れば、プロ1年目のキャンプで先に輝いたのは原田だった。練習試合で得点やアシストを決め、猛アピール。しかし、ケガもあって結局は1年間試合にも出られなかった。一方の武藤はシーズン終盤にスーパーサブとしてチャンスをつかみ、主力に成長。そして、同時スタメンがようやく実現する。原田は「一緒のサイドで、2人で崩したい」と、“同期ホットライン”形成へ意欲満々だった。

 最大の武器は、左足からの正確なクロス。ミニゲームでは左SBの位置から積極的に前線へ顔を出し、何度も見せ場をつくった。ユアスタデビュー戦でも「左サイドは(後半)サポーターがたくさんいるところでやれるので楽しみです」と貪欲に仕掛けるつもりだ。2年分の思いを込めて、原田が左サイドを駆け上がる。【亀山泰宏】

 ◆原田圭輔(はらだ・けいすけ)1988年(昭63)6月11日、北海道・札幌市生まれ。藤枝東高(静岡)時代は1年からレギュラーを張ってU-16日本代表にも選ばれ、筑波大では08年の全日本大学選手権(インカレ)準優勝。保健体育の教師を志し筑波大の体育専門学群に進んだが、プロの夢も捨て切れず、11年に仙台に入団した。175センチ、67キロ。