本家から遅れること15日、“仙台スカイツリー”がいよいよ本格開業だ。仙台FW中原貴之(27)が今日6日、ナビスコ杯アウェー広島戦(広島ビッグアーチ)で今季初先発する。仙台在籍9年目の今季は開幕からなかなか出番に恵まれなかったが、カップ戦でチャンス到来。10年12月4日リーグ川崎F戦以来のスタメンで得意のヘディング弾をたたき込み、存在価値を証明する。

 スカイツリー中原が広島ゴール前にそびえ立つ。念願のスタメンに向け、描くイメージは明確だった。「(赤嶺)真吾くんがいろいろと器用にやってくれるんで、自分は真ん中にどっしり構えてチャンスを狙いたい」。2トップを組む赤嶺が動き回って相手DFをかく乱し、181センチはエリア内で仁王立ち。人の列が途切れることのない東京スカイツリーのように、次々と放り込まれるクロスボールという名のお客を待つ。

 10年11月14日のリーグ磐田戦以来、公式戦のゴールから遠ざかっている。さらにアウェーでのゴールとなると、同4月11日のリーグ清水戦が最後。決めればスカイツリーの高さ(634メートル)を超える?

 787日ぶりだ。「最初から出るならFWとしてちゃんと点を取って、チームが勝てるようにしたい」と意気込む。

 「♪解き放て~中原

 ゴール!

 俺たちの~中原

 野獣を野に放て!」。久々に試合開始から響くであろう応援チャントは、今の心境にぴったり。チームの好調を喜びながら、貢献できない悔しさを抱えてきた。「なかなか出番が回ってこなかったモヤモヤ感とか、たまったものを出し切れれば」と、秘めた思いごとゴールにぶち込む気だ。

 広島ビッグアーチはJ2時代の08年5月7日、後半ロスタイムにヘディングで決勝点を奪った思い出の場所。手倉森監督は「広島はクロスの対応にスキがある」と分析しており、再現の期待も膨らむ。仙台屈指のイケメンとして女性人気ならスカイツリーばり?

 の背番号9が、男の意地を見せる。【亀山泰宏】