<J1:柏3-1大分>◇第4節◇30日◇柏

 本来右サイドバック(SB)の柏DF藤田優人(26)が左SBとして先発。明大時代の同級生、インテルミラノ長友をほうふつとさせるクロスで、FW田中順也(25)の今季初ゴールを演出した。サブ組で一緒だった田中とは右クロスを合わせる練習はしていたが、ぶっつけ本番で左からの左足アシストを成功させた。

 右利きである藤田の左足技術の高さがなければできないパフォーマンスだが、本人は意識の持ち方が重要だという。

 藤田

 右も左もどっちが苦手というのがない。逆に左SBだと中に入ってシュートを打てたりしますから。そう考えれば、右なら右の、左なら左の良さが出せると思います。

 右SBだった13日のACLセントラルコースト戦では右からでMFレアンドロ・ドミンゲスの得点をアシスト。この日の大分戦は前半20分に左から中央へ切れ込んで思い切りの良いシュートも放った。両サイドでまったく同じプレーを求めるのではなく、違った良さを出そうとすれば苦手意識を持つことはないという。

 そう冷静に振り返った藤田だが、左SB長友を参考にしているかと聞かれた時だけは違った。ニヤリと笑って「まったく(参考に)してないですね。したくないです」。そして「負けないぞという気持ちがなくなったら終わりだと思ってるんで。良い刺激をもらってますよ」と続けた。藤田のプレーには意識の高さと秘めた闘志が詰まっている。【千葉修宏】