磐田は4日、磐田市内で阪南大と練習試合を行い2-0で勝利した。新人MF田中裕人(23)は右サイドバックで先発し、持ち味の守備と運動量で勝利に貢献した。また、チームは大宮のブラジル人MFカルリーニョス(30)が期限付き移籍加入すると発表。ボランチの競争も激しくなるが、田中は「負けるわけにはいかない」とさらなるレベルアップを誓った。

 磐田は、ボランチが本職のMF田中が右サイドバックとして先発した。センターバックのDF菅沼駿哉(23)と密な連携で、チャンスと見るや高い位置に駆け上がってクロスを供給。トップ下の小林祐希(21)との速いパス回しでも好機をつくった。守備でも、持ち味の1対1の強さを発揮し「高い位置の右サイドをやったこともあったので、大丈夫だった。自分の持ち味でやることは一緒だし、問題はなかったと思う」と振り返った。

 5月の東京戦で、プロ入り後初めてスタメンに起用された。7月の鹿島戦で公式戦450分出場のプロA契約条件をクリアした。ボランチとして即戦力の活躍を見せている。この日、同じポジションのブラジル人助っ人、カルリーニョスの加入が発表された。ボランチのポジション争いが激化するが、田中は「左利きで体も強いし、見本になる選手だと思った。でも、負けるわけにはいかないし、ここで勝ち取れば自分のレベルアップにつながって今後、ジュビロを背負える選手になれると思う」と力強かった。

 かつて、ジュビロの黄金期を支えた名波浩氏(40)が、当時の助っ人のファネンブルグ氏にロングキックを教わったように、世界基準の外国人選手の加入は、各選手のレベルアップにつながる。「特にキックはお手本にしたい。でも、自分の特徴(守備の強さ)だけは負けたらいかんと思っています」。新助っ人の加入で、さらにチームが活性化されそうだ。【岩田千代巳】