大黒柱が戻ってきた。J2山形MF秋葉勝(29)が11日、仙台大との練習試合(30分×3)の1本目に出場。8月11日の群馬戦で右内転筋肉離れを起こして離脱してから、ちょうど1カ月で実戦復帰を果たした。堀之内とダブルボランチを組み、7日の天皇杯2回戦(対富山)で120分戦ったメンバーとともに30分間だけの出場だったが「蹴るときや止まるときの怖さはない」。回復は順調で、15日のアウェー徳島戦での復帰も現実味を帯びてきた。

 上々の試運転だった。練習試合でも積極的にボールを要求し、味方にゲキを飛ばす姿は変わらない。球際でも激しくプレッシャーをかけたが「個人的にはあまり良くなかった。判断は遅いし、周りも見えていない」と自己評価は厳しかった。中盤で誰よりも走り、献身的な働きを見せてきた背番号19の運動量は並ではないだけに「リハビリや練習でどんなに走っても、ゲームとは違う。あとは慣れです」。完全復活までの課題は実戦感覚だけだ。

 プレーオフ進出を争う次節の徳島、22日の福岡といったライバルとの直接対決を前に、復帰のメドが立ったのは大きい。今季も残り10試合。「上に行くために、やるべきことをやるだけ」。天皇杯も含めて公式戦8戦負けなしと勢いに乗るチームに、さらに追い風を吹き込む。【鹿野雄太】