小野を知る男がプラス効果を断言!

 J2札幌は16日、ウエスタンシドニーの元日本代表MF小野伸二(34)と6月1日からの仮契約を締結したと発表した。浦和時代の98年から4シーズンともにプレーした主将のMF河合竜二(35)は、経験豊富な旧友の加入を大歓迎。小野獲得に伴い、戦力面だけでなく精神面、営業面と、3つの効果があると期待した。

 札幌の大黒柱が、日本を代表するMFの加入を喜んだ。この日、小野の6月からの仮契約締結が、クラブから発表された。河合には浦和時代の1年後輩で、つきあいは98年から15年に及ぶ。旧友の加入が決まり「チームにとってプラス以外の何ものでもない。一緒にやれることが決まって、とてもうれしい」と手放しで歓迎した。

 必要な力と判断したからこそ交渉を“アシスト”した。昨年11月、札幌が小野獲得に動いたことを知ると、積極的に連絡をとって札幌の良さを伝えてきた。財前監督を中心に、しっかりボールを動かして崩すサッカーで昇格を目指していること、奈良や荒野ら世代別代表に選ばれる若い戦力も成長していること。今回の仮契約はフロントの交渉力だけでなく、小野を知る河合の存在も大きかった。

 才能も性格も知る男だからこそ断言できることがある。小野加入後の効果について「戦力だけでなく、集客にプラス。若手にとって、精神的にもいい存在になれる」と3つのポイントを挙げた。天才的なパスセンスや、プレーの1つ1つが若い選手にとって手本となる。新人のMF上原拓は合流前に早くも「小野さんに求められるプレーができる選手にならないと」とレベルアップを誓った。営業面に関してもクラブ幹部が「これをきっかけに新たな動きにつなげられれば」と話しており、新規スポンサー獲得への材料にもなる。

 クラブは中長期的な視点で獲得に動いており、今回の仮契約では複数年契約を結んだ。6月合流が確定したが今後も、3月末の第1登録期間に間に合うよう相手クラブとの交渉を継続していく。三上大勝GM(42)は「クラブとしてJ1で安定した戦いができるようなチームを目指す上で、小野選手が加われば、その速度が増す」と期待。まずは1歩進んだ。小野加入の効果をさらに上げるため、じっくりと話を詰めていく。【永野高輔】