仙台の第1次鹿児島キャンプが26日、さつま町でスタートした。この日朝にグラハム・アーノルド監督(50)と選手、スタッフが約200人のサポーターに見送られて仙台を出発。新指揮官のもと、逆襲へ向けた厳しい練習と激しいポジション争いが繰り広げられそうだ。

 アーノルド仙台の、約1カ月におよぶ“サバイバルキャンプ”が幕を開けた。右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で手術を受けたばかりのDF蜂須賀と、大学の行事が重なったDF二見をのぞく25選手が参加。鹿児島空港で約150人の歓迎を受けた指揮官は「迎えてくれた人たちの、おもてなしの心に感謝したい」と笑顔を見せた。

 温かい歓迎から一転、グラウンドでは仙台を思い起こさせるような寒さが待っていた。強風が吹き荒れる中でも、選手たちは慣れた様子。移動の疲れも見せず、ランニングやダッシュ、ボール回しなど軽めのメニューで約1時間、体を動かした。地元鹿児島出身のMF八反田康平(24)は「プロ選手として帰ってこられたのはうれしい。ケガなくキャンプを終えて、シーズン通して試合に出たい」と定位置奪取へ決意を新たにした。

 大黒柱のMF梁勇基(32)にとっても、大事なキャンプとなる。昨季は度重なる負傷もあり、リーグ30試合4得点と不完全燃焼に終わった。チームも13位と低迷しただけに「去年のパフォーマンスには、まったく納得できていない。例年以上に巻き返したい」と復活を誓う。今回は例年以上に厳しい「地獄キャンプ」が予想されるが、今月7日に32歳を迎えたベテランは「結局は自分に跳ね返ってくるので、歯を食いしばってやる」と気合十分。梁も含め、誰一人として保証されていないポジションをつかむべく、全員が戦いのリングに立った。【鹿野雄太】