甘いもん、ホンマ勘弁してほしいわ…。G大阪FW宇佐美貴史(21)が、ピッチ外で思わぬ格闘を強いられている。2次キャンプを行う宮崎で、体脂肪を減らすため好物のデザートを封印するが、食事の際にスイーツがずらりと並ぶ。それでも「脱甘党」のかいあって、5日の大宮との練習試合には約40メートルの独走ドリブルを披露。J1復帰1年目での優勝への道のりは、決して甘いものではない?

 ゴクリとつばを飲み込んでいるのかもしれない。宇佐美は食事会場で目に飛び込むおいしそうなスイーツに葛藤し、頭を悩ます。すべては開幕までにコンディションを上げるためだが、もう甘党の限界はとっくに超えている。「我慢どころじゃないくらい、我慢してますよ。もう、置かんといてほしいです。食べたいのに食べられへん人がおるのを分かってほしい。それがチームへの唯一の不満」。脱甘党の苦労を愚痴った。

 太りやすい体質を自覚するが、オフはどうしても食べ過ぎてしまう。体重こそ75~76キロをキープするも、体脂肪率が上がる。「女子みたいですけど、体脂肪率は言えません」と、デリケートゾーンは固く閉じながらも、着々と減らす努力は惜しまない。最初に野菜を多く食べて、炭水化物を控え、タンパク質を摂取。揚げ物などの油ものは難敵だ。そして寝る前の夜食という、あま~い誘いも襲いかかる。「だって夜中、腹減るじゃないですか。そんなときに、バウムクーヘンとか一番好きなやつがあると、もうきつい」。

 そんな我慢の成果は、少しずつピッチで出ている。大宮との練習試合に主力組のFWで先発。1本目の30分にパスを受けると、ボールを相手DFの頭上まで浮かしてかわした。虚をつかれたDFを尻目に、約40メートルの距離をドリブルで独走。右足シュートこそネットを割れなかったが、開幕1カ月前でこの切れ味に「現時点であそこまで持っていけるのは悪くない」。ただ、我慢の日々はまだまだ続く。【栗田成芳】