清水は鹿児島キャンプ6日目の7日、J2京都と練習試合(45分×3本)を行い、3-3で引き分けた。主力組主体で臨んだ90分間も2-2のドローに終わったが、好機を数多く作った。1本目の13分には、新加入のFWノバコビッチ(34)が清水初得点を記録。昨年末の右肩手術の影響で出遅れたDF平岡康裕(27)も、先発から69分間プレーするなど少しずつチームが機能し始めた。

 新助っ人ストライカーのFWノバコビッチが、順調な調整ぶりを印象づける今季“初ゴール”を決めた。1本目の13分。FW大前元紀(24)のFKを頭で合わせると、狙いすましたシュートは右サイドネットに吸い込まれた。「合流から10日程度でゴールを決められたことは大きい。コンディションがどんどん良くなっていることを実感している。気持ち良かったよ」と、駆け寄るチームメートとハイタッチを繰り返した。

 1月27日の合流から、まだ12日。それでも周りとの連係が、既に合い始めていることを証明する一撃でもあった。ノバコビッチはゴールシーンを振り返り「自分が1度止まったことを確認してから、元紀が蹴ってくれた。関係が良くなっていけばもっとチャンスは増えていく」。あうんの呼吸から生まれた清水初得点に、手応えは十分だった。

 チームも4日に喫したJ2長崎戦の大敗(主力組0-3)から変化を見せた。右肩の手術の影響で出遅れていたDF平岡が今季“初先発”で69分間プレー。ゴール前のこぼれ球を押し込まれるなど2失点こそしたが、ばらばらだった守備がチーム全体で連動した。

 1点を追う2本目には、FW村田和哉(25)のクロスからFW長沢駿(25)も今季“3点目”を記録。4戦3発と好調を維持している。アフシン・ゴトビ監督(49)は「チームはすべての部分で良くなってきている。FCソウル戦(10日)ではもっと良くなっていくと思う」とうなずいた。少しずつだが、3月1日の開幕戦に向けて明るい兆しが見えてきた。【前田和哉】