清水は11日、鹿児島キャンプを打ち上げた。主力組はクールダウンを中心に軽めのメニュー。控え組は通常通りの練習で約1時間半、最後までみっちり汗を流した。J2長崎戦の大敗からスタートしたキャンプも、最後の実戦となった韓国Kリーグ・FCソウル戦では1-0(主力組)の完封勝利。帰静したイレブンは13日から練習を再開し、16日には川崎Fとのプレシーズンマッチ(午後1時半=アイスタ)に臨む。

 鹿児島キャンプを打ち上げた清水イレブンの表情は晴れやかだった。締めくくりの円陣では、元清水サポーターコールリーダーの中山喜仁ホペイロ(48)が軽快なダンスを披露。全員が笑顔でグラウンドを後にした。アフシン・ゴトビ監督(50)は「内容にはとても満足している」と一定の成果を示した選手へのご褒美として、今日12日の予定をオフに変更した。

 指揮官は就任4年目の今キャンプから初の「ポイント制」を導入。各練習から選手にポイントを与え、宿舎に順位を貼りだした。「常に争うことで勝利へのスピリットを持たせる」と同時に、シュートゲームなどでは“遊び心”も加えて新加入選手の融合を図った。

 初の試みが徐々に形になった。2試合目の京都戦で新加入のFWノバコビッチ(34)が今季“初得点”を記録。最終戦のFCソウル戦では、今季3年間の期限付き移籍から復帰したFW長沢駿(25)が始動から5戦4発となる決勝点を決め、昨季アジア・チャンピオンズリーグ準Vの強豪を下した。ゴトビ監督は「数多くの収穫があったキャンプだったが、新加入選手が(得点を)取れてることは何よりポジティブなこと」とうなずいた。

 新戦力も好スタートを切り、後はFW大前元紀(24)ら既存メンバーのコンディションアップが待たれる。開幕までに残された実戦はJ1川崎FとのプレシーズンマッチとJ3鳥取とのトレーニングマッチの2試合。大前は「新しい選手との連係も良くなっている。公式戦で結果を残せるように、準備をしていくだけ」と誓った。【前田和哉】