J2山形は2次キャンプ5日目の13日、熊本県民総合運動公園補助競技場で、札幌と45分2本の練習試合を行い、今季初のJ2対決を2-0で制した。各ポジション争いが激化する中、プロ3年目のMF宮阪政樹(24)がボランチとプレースキッカー争奪戦に名乗りを上げた。

 チームはこの日、キャンプ地の長崎・雲仙から、熊本市にフェリーで移動。疲れも見せずに、今季リーグ第2節で対戦する札幌とのJ2対決をものにした。

 宮阪は1本目途中から出場。予定の30分間で1度ピッチを後にしたが、ロメロ・フランク(26)の故障退場で再出場が認められ、実質45分間を戦った。1本目終盤には鋭いシュートを放ち、CKのキッカーもこなした。突然の再起用にも「試合後に練習すると聞いていたから」とタフネスぶりをアピールした。

 12年に入団し3年目。プレースキックを得意とし、リーグ初得点も同年第4節甲府戦で直接FKを決めた。昨季は序盤に出遅れ、リーグ出場23試合にとどまったが「(プレースキッカーを)だれにも譲るつもりはない。でも試合に出なければ蹴れないので」とボランチの定位置争いを勝ち抜く覚悟をみせた。

 メンバーを入れ替えながらポジション適性や連係を確認し合っている状況下で、宮阪は「選手が代わっても同じプレーができるように高めていきたい。最終目標はJ2優勝」と言い切る。風貌がディズニー映画「トイ・ストーリー」の人気キャラクターに似ていることから、愛称は「バズ」。自慢のプレースキックで、トイ・ストーリーならぬ「Vストーリー」を完成させるつもりだ。【佐々木雄高】