<ACL:C大阪1-1浦項>◇1次リーグE組◇25日◇浦項(韓国)

 C大阪のウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)が初戦の浦項戦で途中出場し、公式戦デビューを飾った。後半17分、MF南野に代わって出場。FW柿谷曜一朗(24)と2トップを組み、存在感を見せつけた。試合は前半11分に柿谷が先制点を決めたが、後半に追いつかれ、引き分けた。

 フォルランが韓国の地で堂々のデビューを飾った。後半17分、敵地の大ブーイングに包まれてピッチへ。しばらくボールを触ることはできなかったが、後半26分、速攻からパスを受けると、柿谷とのワンツーをはさみ、ドリブルで敵陣へ。右サイドへのパスは相手にクリアされたが、ファーストタッチで格の違いを見せつけた。

 「まだまだ時間も短いので自分で評価するのは難しい。チームも初めての公式戦で、なかなかボールも来なかった」。それでも敵地で勝ち点1をつかみ「少なくともアウェーでの引き分けは決して悲観する結果ではない」と前を向いた。

 チームとして守備に回る時間が多く、放ったシュートはゼロ。それでも前線に残り、何度もチャンスをうかがった。宮崎合宿中の18日に左太ももの違和感を訴えたが、その後は順調に回復。数少ないボールタッチで存在感を見せた。

 来日後は食事にも常に気を使ってきた。主食はパスタ。すしが大好きだというが、ここまで極力、日本食を口にするのは避けてきた。「急に食事を変えて、体調が変わってしまってはいけないからね」。スタンドには、昨夏に結婚した妻パスさん、元プロサッカー選手の兄パブロさんの姿もあった。この日は最愛の家族の前でゴールを決めることはできなかった。

 攻撃陣とは「もっと練習、試合を重ねないと簡単にはかみ合ってこない」。柿谷ら若手に「いい選手がそろっているので、短い時間でかみ合っていくと思う」と前向きに話した。次は3月1日、Jリーグ開幕戦で王者広島と戦う。次こそ、あいさつ代わりの1発を決める。【福岡吉央】

 ◆ディエゴ・フォルラン

 1979年5月19日、ウルグアイ・モンテビデオ生まれ。98年インディペンディエンテでプロデビュー。02年にマンチェスターU、04年にビリャレアル、07年にAマドリード、11年にインテルミラノ、12年にインテルナシオナルに移籍。スペインリーグで得点王2回。ウルグアイ代表では歴代最多の107試合36得点。W杯は02、10年の2度出場。10年W杯南アフリカ大会でMVPと得点王を獲得した。181センチ、75キロ。