<J1:大宮4-0仙台>◇第4節◇23日◇NACK

 負のスパイラルが止まらない。仙台はアウェーで大宮に完敗。公式戦4試合連続ノーゴールで、開幕新潟戦のMF富田の同点シュートから398分無得点となった。守備陣も試合開始40秒で先制され、19日のナビスコ杯清水戦に続く4失点と崩壊。チームとしての“形”が見えないまま泥沼の状態に陥った。

 敵地に駆けつけたサポーターが送り続けた大声援がむなしく響き渡った。開始40秒で先制点を奪われると、ブロックを作って守る相手に為す術なし。両サイドからクロスを放り込み続けても、いとも簡単にはね返されてカウンターを浴びた。グラハム・アーノルド監督(50)は「最悪な立ち上がりとなってしまった」と開始わずか40秒での失点を悔やんだ。

 相手から見れば、今の仙台ほど守りやすいチームはない。前線の選手が「ボールが入ってこない」「シュートまで持っていく形がまったくない」と口をそろえるように、単調な攻撃を繰り返した。中盤でボールを保持しても横か後ろへのパスがほとんど。縦を狙ってもマークに付かれている選手の足元へ出すだけで、スペースを突いてフリーでゴールに迫る場面は皆無だった。今季の対戦相手に証明されてきた「引いて守って、自滅を待ってカウンター」という簡単な攻略法で、この日も崩れ去った。

 統一意識のない状況に、守備陣も苦言を呈した。2点を追う後半はパスをつなぐどころかロングボール一辺倒。ある選手は、4失点の責任を痛感しながら「前を向いても走ってる選手がいないので上がりづらい。(ゴール前に)放り込んで事故を待つ方が可能性があると思った」と話すほど組織力に欠けている。指揮官は水曜にナビスコ杯を戦っていない大宮とのコンディションの差や、雪で練習できなかった環境も敗因に挙げ「辛抱強くサポートしてほしい」と訴えた。J史上初の無観客試合が行われた日に、0-4になっても最後まで声をからしたサポーターの熱意に応えるためにも、次節ホーム甲府戦で希望を与える試合を見せるしかない。【鹿野雄太】