清水のDF吉田豊(24)が9日、次節ホーム大宮戦(12日午後3時、アイスタ)の強行出場を宣言した。6日の前節甲府戦で左手を負傷。検査の結果、骨に異常はなかったが、患部は現在も腫れて痛みが残る。それでも「骨が折れたわけじゃないし、完治まで休んでいるようなケガじゃない」と、語気を強めた。

 言葉通り、オフ明けのこの日は約2時間のフルメニューを精力的に消化。さらに、実戦形式の練習では主力組の左サイドバックに入り、接触プレーを恐れることなく積極的な攻撃参加も披露した。

 甲府戦では、前半17分と開始早々に負傷したが、相手は08年のプロ入りから4年間在籍した古巣。「いつもならできる痛みではなかったが、特別な試合だった」と患部をテーピングで固め、痛み止めを服用してピッチに復帰した。フル出場を果たし、今季リーグ初の完封勝利に貢献。「無失点に抑えられたことは個人的にも大きな自信になった」と、手応えをつかんだ。

 大宮戦では元日本代表MF家長昭博(27)とマッチアップする可能性が高い。難敵が相手だが、吉田の勢いも十分だ。「自由にやらせたら何でもできる選手。気をつけなければいけないけど、勝てばもっと勢いはつく。ホームだし必ず勝つ」と、頼もしい言葉を並べた。左サイドから今季初の連勝、リーグ戦ホーム初勝利を呼び込む。【前田和哉】