仙台は27日、10日間の宮崎・延岡キャンプを打ち上げた。休日なしで厳しい体力強化練習と実戦を重ねた疲労を考慮し、最終日はプール調整のみ。リラックスムードで回復に努めた。渡辺晋監督(40)は「再開幕に向けた下地はできた」と充実のキャンプを振り返った。

 再出発の10日間は、慣れ親しんだ温泉施設で幕を閉じた。指揮官が現役時代から利用し、選手たちも日頃の練習の疲れを癒やしている場所。この日も雨と最後まで天候には恵まれなかったが、延岡の地で大きな手応えをつかんだ。

 渡辺監督

 暑熱対策という意味では気温が上がらなかったが、仙台では味わえない蒸し暑さを体験できた。選手の意識や意欲も満足いくものが得られた。体力面の向上は昨日(26日)の練習試合でも少し見えたし、再開幕に向けた下地はできたと思う。

 体力強化と同時に、攻撃力アップもテーマに掲げた。今キャンプでは守備に特化した練習はしなかった。それでも、就任当初からの信念がぶれることはない。

 渡辺監督

 初日に、基盤は堅守速攻だと再徹底した。攻守の切り替えの速さはもちろん、求めているのはベースがあっての上積み。攻撃のバリエーションを加える中でミスを恐れず、積極的にトライしてくれた。

 7月5日の新潟とのプレシーズンマッチは、キャンプの成果を試す場となる。そして12日の天皇杯2回戦を経て、19日にリーグ再開初戦の柏戦を迎える。

 渡辺監督

 新潟さんは絶好の相手。前からのプレスを剥がすのは苦手としていた部分。Jとの90分ゲームでどれだけ動けるかも確認できる。キャンプの採点?

 それは再開幕のところで評価してほしい。ここからがスタートなんでね。

 指揮官は「再開幕」という言葉を繰り返した。勝負の時まで、仙台でさらなるレベルアップを図る。【鹿野雄太】