<J1:G大阪2-0甲府>◇第15節◇19日◇万博

 18年W杯ロシア大会でエースの座を狙うG大阪FW宇佐美貴史(22)が技あり弾で魅せた。前半9分にゴール前で受けると、いったん間をあけて右足でループシュートを放った。息をのむような得点に観客1万1373人の大歓声に包まれた。宇佐美は「軌道、キーパーの位置や高さ、全部イメージ通りだった。この試合から次のW杯への道が始まる」と声を弾ませた。

 前半26分にはFW倉田の追加点を演出した。1得点1アシストの活躍でチームを勝利に導いたが「今日のような試合ではW杯で中心としてやっていけない。W杯に行きたい気持ちはあるが、理想と現実がある」と厳しい口調。目指すものは高いところにあった。この日、ボールを奪われるシーンもあり「『取られたら取り返す』というがそういうのは要らない。取られなければ取り返さなくて良いわけだし。1人で6、7人を抜いて点を取ることが理想。究極をやっていかないと」。

 2月に左足を負傷し、長期離脱。リーグ前半戦ではわずか6試合の出場にとどまった。しかし気持ちは切り替わっている。「代表に入れば憧れられる立場になれるし、継続して目指してもらえる選手になりたい」。G大阪の至宝が世界の舞台へ技を磨く。【辻敦子】