東京が元スペイン代表MFシャビ(34=バルセロナ)の獲得を目指し水面下で動いていることが3日、分かった。大物助っ人外国人を複数リストアップし、その中でパスサッカーのスペシャリストが浮上している。代理人などを通じて交渉に入る。オランダ代表MFスナイダー(30=ガラタサライ)もリストに挙がり、C大阪FWフォルラン(35)に続く世界的ビッグネームどりへの動きは今後、本格化する。来季日本代表FW武藤嘉紀(22)との夢のコラボが、Jリーグで見られるかもしれない。

 超大物外国人獲得に向けて、来季リーグ初制覇を狙う東京が静かに、そして大胆に動きだした。バルセロナでプレーするシャビを、水面下で調査開始。シャビ側の人物と接触している。まだ条件提示や正式オファーには至っていないが、夢のビッグネーム獲得を実現するために、情報収集を行い移籍交渉に入る。東京関係者は「具体的には何も決まっていない」と明言は避けた。

 シャビはバルセロナで育ち、バルセロナで大活躍してきた。スペインリーグ優勝は7度、欧州チャンピオンズリーグ(CL)は3度制した。スペイン代表としては2010年W杯南アフリカ大会の初優勝に大きく貢献。パサーとして人並み外れた視野の広さで、ボールを配給した。アルゼンチン代表FWメッシという最高のフィニッシャーとのコンビで、「バルサスタイル」を築き上げた1人だ。

 今季、プロデビューし13得点を挙げ東京のエースに成長した武藤へのパスの出し手となれば、爆発的な得点力アップが見込める。さらに、東京が獲得に乗り出している川崎FのFW大久保も加われば、夢のコラボが実現する。個人で打開できる武藤や大久保を、後方から操るシャビ-。そんなJリーグでは類を見ない超豪華布陣に、サッカーファンの胸は高鳴る。スタジアムで一目見ようと、ファンの新規開拓にもつながり、Jリーグ全体の活性化が期待される。

 シャビは来日経験もある。クラブW杯出場のため11年12月に来日し、同杯優勝を果たした。その際には横浜などを観光し、日本に好印象を抱いていたという。首都クラブである東京からのオファーを受けることになれば、当時の経験はプラス材料になる。昨季リーグV逸し、ルイスエンリケ監督が就任するとシャビの放出が現実味を帯びた。今季のスペインリーグ開幕前には、高額年俸でオファーを出したカタールクラブへの移籍話も浮上した。来年1月で35歳になるシャビにとって、初めての移籍を模索している今こそが、東京が狙うには絶好のタイミングといえる。

 実現には、年俸など多くのハードルが存在する。現在の年俸は推定で10億円近い。中東クラブとのマネーゲームになれば、かなわない。C大阪のフォルランで6億円といわれており、条件面でシャビの年俸にどれだけ迫れるかがポイント。スポンサーなどのバックアップは必要になる。東京はシャビとは違ったパサータイプのオランダ代表MFスナイダーもリストアップ。初優勝を狙う東京は、大きなチャレンジに挑もうとしている。

 ◆シャビ・エルナンデス

 1980年1月25日、バルセロナ郊外のテラッサ生まれ。91年にバルセロナの下部組織入りし、98年にトップ昇格。98-99年のリーグ優勝に貢献し、翌年はMFグアルディオラ(元バルセロナ監督で現Bミュンヘン監督)の故障もあってレギュラーに定着した。99年ワールドユースでは、決勝で日本を破って優勝。00年11月のオランダ戦でA代表デビュー。08年の欧州選手権ではチームを優勝に導くとともに大会MVP。10年W杯南アフリカ大会優勝。Aマッチ通算133試合13得点。170センチ、67キロ。