6日にキトで行われたW杯南米予選エクアドル-チリ戦の会場から、エクアドル代表FWエンネル・バレンシア(26=エバートン)が「逃亡」した!

 実は同FWは別れた元夫人へ、1万7000ドル(170万円)の扶養料を支払っておらず、スタジアムまで警察が逮捕にやってきていたのだ。

 警察は試合前、スタジアムに到着したエクアドルのチームバスを待ち構えていた。だがチームメートがうまくかくまい、E・バレンシアはまんまとスタジアム入りすることができたという。

 同FWは試合が始まるとA・バレンシアの先制ゴールをアシストするなど活躍。だが、警察はピッチのすぐ外まで詰め掛けており、試合終了と同時に連行されるのは間違いないかにみえた。

 しかし終了10分前。E・バレンシアは呼吸が苦しいとピッチに倒れ込んだ。

 標高2850メートルのキトでの試合ということで、チーム医師に高山病だと訴え、ピッチで治療を受けた。さらには駆け付けた救急車に運ばれて、スタジアムを後にしてしまった。

 警察はまたしてもE・バレンシアを取り逃した。ロイター通信によると、その後の同FWの所在は不明になっているという。

 一部報道ではE・バレンシアの年俸は176万ポンド(約2億3700万円)だという。それだけもらっておきながら、なぜ170万円の扶養料が払えないのか。同FWの所在同様、まったくの謎だ。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)