<欧州選手権:デンマーク1-0オランダ>◇1次リーグB組◇9日◇ウクライナ・ハリコフ

 早くも「死の組」で波乱が起きた。1次リーグB組2試合が行われ、10年W杯南アフリカ大会準優勝のオランダが、0-1でデンマークに敗れた。今季プレミアリーグで30点を挙げ、得点王になったファンペルシー(アーセナル)や、ブンデスリーガ得点王フンテラール(シャルケ)ら豪華攻撃陣が不発に終わった。

 FIFAランク4位のオランダにとってまさかの黒星発進となった。前半24分、「死の組」B組の中ではやや劣るといわれていた同ランク9位デンマークに先制を許した。相手MFクロンデリにこぼれ球を拾われると、DF陣が簡単に突破を許した。そのままドリブルでペナルティーエリア左へ進入され、左足でGKステケレンブルフの股の間にシュートを決められた。

 一方で攻撃陣は鳴りを潜めた。シュートこそ相手の8本を大きく上回る28本を記録。だがデンマークが8本すべて枠内に蹴ったのに対し、オランダは28本中8本しか枠内へ飛ばなかった。ロッベンの一撃が左ポストを直撃した不運もあったが、プレミア得点王ファンペルシー、交代出場したブンデス得点王フンテラール、スナイダーらスター選手たちがシュートを外し続け、そのまま敗れた。主将ファンボメルは「失点した場面だけが、危ない場面だった。今日、勝ち点3を取ることは本当に重要なことだった。もう話す言葉もないよ」と肩を落とした。

 ファンマルウェイク監督は、スコミナ主審を批判した。試合終盤、相手選手がペナルティーエリア内でハンドを犯したと、フンテラールらがアピールしたが認められなかった場面について「明らかなハンド。ウチの選手たちは今日4~6回はゴールするチャンスがあった。そして審判にも得点のチャンスがあった」と皮肉った。1次リーグ残る2戦はドイツとポルトガルが相手。チームの雰囲気が最悪になってしまったオランダは立ち直れるか。