<クラブW杯:マンチェスターU(イングランド)5-3G大阪>◇18日◇横浜◇準決勝

 格の違いを証明するには、わずかな時間で十分だった。マンチェスターUのFWウェイン・ルーニー(23)が、途中出場からたった6分で2点を決めた。後半29分に飛び出したピッチで、最初に目にしたのはまさかの失点シーン。その1分後、MFフレッチャーからの浮き球パスに反応した。胸でトラップすると見せかけてスルー。DF中沢に肩透かしを食らわして、ペナルティーエリア左へ流れながら、左足で流し込んだ。この試合最初のタッチは、相手の反撃ムードを消沈させる貴重な1発になった。

 16日の練習で負傷しており、体調は万全ではなかった。「(控えにした)ファーガソン監督の判断は正しかった」と納得の途中出場だったが、ピッチに送り出されれば点取り屋の血が騒いだ。後半34分には、MFギグスのスルーパスに反応し、今度は右足でゴール右隅へ。たった6分で、強烈なインパクトを与えた。

 今季は10月まで公式戦7戦連続9発と大暴れしながら、プロ通算100ゴールに王手をかけたとたんに足踏みした。だが、裏を返せば、決め始めれば止まらない男でもある。「得点の流れをつかんで、持続できたことはうれしいよ。もうこれで体調も整ったし、負傷の不安も振り払った。決勝はフル回転するよ」。アジア王者を相手に16分間、上々の手応えをつかんだ。確かな感触を手に、今度は南米王者LDUキトに襲いかかる。【森本隆】