ACミランのFW本田圭佑(29)が自身の専用グラウンドを造ることが7月31日、分かった。千葉県内の海浜幕張地区に、フルコートのサッカー場1面とフットサルコートを隣接した施設を建設する。セリエAのシーズンオフなど帰国時の自主トレに使用し、地域への貸し出しも検討。早ければ今夏にも着工する。目標にするW杯優勝へ、日本では過去に例を見ない個人の専用練習場が年内にも完成する。

 東京ディズニーランドに程近い千葉県の海浜幕張地区に、本田のワンダーランドが完成することが判明した。関係者によれば、数年前から専用グラウンドの建設を計画。この日までに、海浜幕張駅から徒歩圏内にある開発地域の土地利用のメドが立った。フルコートのサッカー場1面、フットサルコート2~3面にクラブハウスまで併設した施設を建設することが決定。早ければ年内にも「本田専用練習場」ができる。

 セリエAのシーズンオフなど、帰国時の自主トレで使用する。これまでは首都圏のグラウンドを貸し切るか、沖縄県内で独自キャンプを張ることもあった。海浜幕張は20年東京五輪に向けて今後、活性化していく地域で、選択した理由の1つには同地区のスポーツ振興を手助けする意味合いもある。成田空港や羽田空港からも車で1時間以内。長時間のフライトで帰国してすぐに空港から練習場に直行するなど、いつでも体を動かすことが可能だ。

 フルコートのピッチには、ACミランの本拠地サンシーロと同じ芝生を希望している。天然芝と人工芝をミックスさせた独特の芝のため、現時点で検討段階だが、所属クラブで結果を残すために、そこまでこだわりを持つ。土地賃貸料を除いても建設費は5億~6億円。大金をはたいてまで、理想の練習場を追求する。

 同じ地区の海側には、日本協会も「JFAナショナルフットボールセンター(仮称)」を建設する計画がある。日本代表の専用練習場になる見通しで、完成は18年を予定。それより一足早く、お隣に、夢のグラウンドが完成する。

 イタリア滞在時など自らが使用しない時期には、周辺住民に貸し出すことを検討。東京五輪を目指す子供たちの育成など地域貢献も視野に入れている他に、自らが運営する小学生向けのサッカースクール・ソルティーロの利用や、実質的なオーナーを務めるオーストリア3部のSVホルンの日本人選手が自主トレに利用することもありそうだ。

 本田は、これまで公言してきた「W杯優勝」を18年W杯ロシア大会まで封印することを宣言。不言実行するために、隠れ家として、専用グラウンドを造る。

 ◆JFAナショナルフットボールセンター(仮称) 5月14日の日本サッカー協会理事会で、千葉市美浜区の千葉県立幕張海浜公園に建設候補地を絞ったことが報告された。約26ヘクタール(約26万平方メートル、東京ドーム約5・6個分)の敷地に18年中の完成を目指す。計画では天然芝2面、人工芝1面のピッチを設置予定だったが、増設の可能性がある。建設予算は39億5000万円を見積もっており、宿泊施設は現段階では建設しない方針。原専務理事は「代表専用ではなく、海外から来たチームに貸すことも考えたい。審判や指導者も集える場にする」。