ドイツ有力誌シュピーゲル(電子版)は16日、同国で2006年に開催されたサッカーのワールドカップ(W杯)招致で買収行為があったと報じた。

 かつての名選手、ベッケンバウアー氏を中心とした招致委員会が1030万スイスフラン(約13億円)の裏口座を設け、開催地を決めた00年7月の国際サッカー連盟(FIFA)理事会で、アジア出身の理事4人の票を獲得するために使用したという。

 報道によると、裏口座の資金はドイツのスポーツ用品大手、アディダスの社長だった故ルイドレフュス氏が私的に貸した。大会の約1年半前に同氏が返却を求めたため、W杯組織委員会はFIFAを経由して1030万スイスフランに当時相当した670万ユーロを返した。

 ドイツ・サッカー連盟は16日、W杯組織委が05年にFIFAへ670万ユーロを文化プログラムに使用する目的で送金したことを認めた上で、FIFAが本来の用途に使用しなかった可能性があると発表していた。送金と招致活動は無関係と主張している。