レスターに所属する日本代表FW岡崎慎司(30)は、ラニエリ前監督の解任以降、2試合連続で先発で出場し、ゴール前に何度も顔を出した。

 今季リーグ戦でわずか2点にとどまっているが「開幕から違うことを考えさせられたんで、やっときたなという感じ」と、監督交代でFWとしての役割を再認識した試合となった。

 ラニエリ前監督からは守備を求められ、「シュートを打つな」と言われたこともあった。だが、この試合では左クロスに何度もゴール前に進入。直前で相手DFにカットされたり、あと1歩のところでボールに触れなかったりと得点にはならなかった。しかし、0-1の前半27分にDFフクスの決めた同点弾では、FWバーディーが左サイドから切れ込み、岡崎が相手GKの前まで走り込み相手DFを3人引きつけた。岡崎の後ろに空いたスペースにフクスが走り込み、フリーでシュートが打てて得点となった。無得点に終わりながらも岡崎だったが、試合後は笑顔だった。「(クロスボールに)あと触れば1点という。去年の課題に挙げたポイントがまた今年、きたなという感じ」と自然と笑みが漏れた。

 優勝した昨季は全38試合で先発から外れたのは10試合だったが、今季は27試合終了時点ですでに13試合と、先発する機会が減ってきていた。だが、シェークスピア暫定監督になってからは2試合連続で先発。「ようやくここにきてアタックできるというか。これからもずっと使い続けてくれたら、自分もトライしてもっと向上できる。今日のようなパターン(クロスに飛び込む)を次は決められると思える。開幕から違うことを考えさせられたんで、やっときたなという感じです」とうれしそうに話した。

 岡崎は、同暫定監督からの信頼を感じているようで、話す言葉ひとつひとうに自信を感じさせた。自身の起用について「コーチとして見ていて、判断したんじゃないですかね。自分を置くのがチームとしてもいいし。自分の良さを確実に理解はしてくれる。そうやって試合の前にも話してくれる。バーディーとお前のプレッシャーが確実にこのチームの助けになるから。『ここは絶対』という感じですね」と冗舌だった。

 ここ2試合、チャンスに顔を出す機会が格段に増えた。だが、自身の持ち味である前線からの守備を軽視している訳ではない。「ただ先決なのは、勝つために自分のああいう働きだと思うので。結局やっぱり、自分が信じた通り、そういう役目が必要だと思うんですよね、このチームには。(チームの)ピースになると思う」と自身の役割を自覚している。さらに1つ上のステージに行くために「それをやりながらそこ(ゴール)を目指すという、昨季見えた課題をまた次またトライしていきたい」。残り11試合、“FW”岡崎の戦いがスタートした。(英国通信員)