<クラブW杯:バルセロナ2-1エストゥディアンテス>◇19日◇決勝◇UAE・アブダビ

 ピッチ中央付近で肩を組んだ選手たちが歓喜の歌声を響かせる。クラブ世界一のトロフィーを掲げたのはバルセロナ(スペイン)。達成感と解放感がこみ上げたのか、試合後のグアルディオラ監督は涙を見せた。「単純な言葉では表せない。選手に感謝したい」と、勝利の余韻に浸った。

 絶体絶命だった。1点リードを許して迎えた後半。攻勢を強めて何度となくゴールに迫った。はね返されても、しぶとく繰り返した攻撃が実ったのは最後の最後。時計が44分を指したとき、22歳の新鋭ペドロが、チームを救うゴールを決めた。

 「ペドロの得点で勝てると思った」とメッシ。その言葉通り、延長後半5分に自身が勝利を決定づけた。小柄な体でゴール前に躍り込み、右クロスを胸で押し込む執念のゴール。バルセロナにとっては前身のトヨタ杯時代を合わせ、3度目の挑戦でこれが初の世界一。クラブ創設110周年でようやくつかんだ栄冠に、メッシは「(ユニホームの胸にある)バルサのエンブレムで押し込んだんだ」と誇った。

 昨季は国内リーグ、スペイン国王杯、欧州CLの3冠。今回のクラブW杯も合わせ、2009年は実に公式戦「6冠」を達成した。グアルディオラ監督は「タフな試合だったが、とても難しいことを成し遂げた。われわれは勝利に値した」と、最後は会心の笑みを浮かべた。

 [2009年12月20日9時56分]ソーシャルブックマーク