元ブラジル代表FWロマーリオ(42=バスコ・ダ・ガマ)が、現役を引退することを明らかにした。リオデジャネイロのジア紙に28日、選手としての契約が切れる3月いっぱいでユニホームを脱ぐと語った。「おれはもう42歳だし、疲れた。もうやる気をなくしちゃったよ」。悪童らしい突然の幕引き宣言だった。

 ロマーリオはフラメンゴやバルセロナなど、国内外のクラブで活躍した。94年にはブラジルのW杯制覇に大きく貢献。07年5月には自己申告の数字ながら、通算1000ゴールを達成した国民的英雄だった。

 一方で、ピッチ外の話題も豊富だった。94年W杯前には、父が誘拐される事件が起きたが、「父を解放しなければW杯には出ない」と誘拐犯を逆に「脅迫」。結局、身代金なしで解放させた逸話も残る。昨年は育毛剤使用によるドーピング違反で出場停止(後に処分撤回)に。バスコの監督兼選手を務めた今年は、会長と選手起用などでもめて一方的に辞任するなど、最後までサッカー界をかき回し続けた。今後は家族との時間を過ごしつつ、評論家転身を目指すという。(ネルソン・サイトウ通信員)