<親善試合:Rマドリード1-0シャムロック・ローバーズ>◇20日◇ダブリン

 ポルトガル代表MFクリスティアーノ・ロナウド(24)がRマドリードでデビューし、痛烈なブーイングを浴びた。アイルランド合宿中のレアルは地元の名門シャムロック・ローバーズと親善試合。右MFで先発したC・ロナウドは、ボールタッチのたびにブーイングを浴び、2度のFKに失敗すると「お前は誰だ?」「金の無駄遣い」とやじられっぱなし。見せ場をつくれず、前半45分だけで途中交代となった。試合は新加入FWベンゼマのゴールで1-0と勝利した。

 アイルランドでC・ロナウドが激しいブーイングを浴びた。ダブリンのタラ・スタジアムには1万915人の観衆が集結し、周辺のアパートは「高みの見物」をもくろむファンであふれた。カカが欠場する中、背番号9の純白のユニホームに身を包み、右MFで先発出場。待望のレアルデビューを果たしたが、思いがけない洗礼を浴びた。

 ボールタッチのたびに、史上最高の移籍金8000万ポンド(約129億円)での移籍をやっかむスタンドからブーイングが飛んだ。前半には2度のFK場面があったが、1本目のシュートがゴール枠を外れると、リズムに乗せて「Who

 are

 ya、Who

 are

 ya(お前は誰だ?

 お前は誰だ?)」の大合唱。2本目のFKが相手の壁に当たると、今度は「What

 a

 waste

 of

 money(金の無駄遣い)」の声がわき上がった。本調子でない上、ブーイングでリズムを狂わされたのか、見せ場をつくれないまま前半で退いた。

 もともとアイルランドは自国クラブがあまり強くないため、マンチェスターUを「セカンドクラブ」としてサポートするファンが多い。半ば強引にマンUからレアルへ移籍した男は「裏切り者」と受け止められた。

 それでもC・ロナウドは「チームのスタイルに順応しようとしているところ。リーグ開幕前には万全になっている」と涼しげな顔。ポルトガル代表として出場した06年W杯では、ルーニーを挑発するなどしてイングランドを敗退に追いやり、その後、マンUでブーイングを浴びた。だが「あれが僕を強くした」と、逆風をバネに08年には世界最優秀選手に輝いた。「ブーイングは起爆剤」という男にとって、この日のブーイングは新たなエネルギーとなるに違いない。(春日洋平通信員)

 [2009年7月22日9時19分

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