ロシア1部のCSKAモスクワ移籍が決定的となっている日本代表MF本田圭佑(23=VVV)が25日、古巣名古屋の練習場(愛知・豊田市)で自主トレーニングを行った。高額移籍金を巡り最終的なクラブ間交渉が停滞しているもようだが、心はロシアに飛んでおり「(VVVの)会長とファイトも」と移籍実現へ移籍金値下げを直談判する可能性も示唆した。さらにW杯4強の目標達成へ、同組のライバルたちを完全把握することの重要性を強調。W杯イヤーも攻め続ける意思を見せた。

 本田はクリスマスに古巣で午前、午後の2部練習を行った。みっちり動いた後は疲れも見せず、移籍への熱い思いを激白した。

 本田

 行きたいということは(クラブに)伝えた。ロシアに移籍することには、ポジティブなイメージを持っている。

 移籍は決定的とみられているが、最終のクラブ間での交渉で1000万ユーロ(約13億円)ともいわれる移籍金をめぐり、停滞しているもよう。少しでも高く売りたいVVVのハイベルデン会長とCSKAの間で、駆け引きが続いている。状況を打開するため、本田は自ら会長に直談判する可能性も示唆した。

 本田

 会長はオレのことを考えてくれているけど、満足した形で出られないのならば、当然(移籍金を下げてもらうために)ファイト(戦い)も求められる。

 ロシアリーグは近年急速に力を伸ばしてきた。CSKAは今季の欧州CL16強に進出した強豪だが09年リーグ戦は5位。同レベルのライバルが「5、6チームはある」と分析する。10月の欧州CLではルビン・カザンが王者バルセロナを2-1で撃破した。

 本田

 みんながロシアにどういうイメージを持っているのかは分からないけど、10年後には『ロシアのことをナメていたな』という評価になる。(人工芝のピッチや極寒の気候などのリスクも)サッカーはサッカー。馬を相手に試合するわけじゃない。

 すでにロシア移籍の先にあるW杯についても考えがある。岡田監督が掲げる「W杯4強」へ向けて、本大会までに1次リーグで対戦する格上の3カ国の選手を丸裸にするつもり。「抑えないといけないヤツは3試合で33人」。11人×3チーム分…つまり出場が予想されるほとんどの選手を事前分析する重要性を訴えた。

 本田

 自分の目で見て、自分の感覚で相手を分析した方がいいし、分かりやすい。代表でビデオを見るだけじゃなく、普段からテレビで試合を見るとか、個人で得意なプレー、苦手なことを知っておかないと。

 勝負の10年へ、本田は年末年始も休まずに国内で動き続ける。【八反誠】

 [2009年12月26日8時58分

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