<ロシアリーグ:CSKAモスクワ4-1シビル・ノボシビルスク>◇第6節◇24日◇ノボシビルスク

 

 CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(23)が、ロシアリーグ初アシストを決めた。アウェー戦にフル出場。序盤こそ相手の徹底マークに苦しんだが、前半終了直前に左サイドからのパスで、チーム2点目をおぜん立てした。6日の欧州CL準々決勝インテル戦に敗れて以来、チームの低調や左足首のけがもあって本来のプレーができていなかったが、復調の兆しがみえてきた。

 シベリアのピッチには「背番号7包囲網」が敷かれていた。

 試合開始直後。前線左サイドの本田にパスが入った瞬間、2、3人の相手マーカーが、素早く身体を寄せてきた。中央に移動し、ボールを受けても、やはり複数の相手選手が殺到。シビルは前節まで勝ち点1の最下位。格上のCSKAモスクワ相手に、まずは攻撃のキーマンをつぶして接戦に持ち込む、という狙いは明らかだった。

 連動性を欠き、ロングキック一辺倒の周囲からは、あまりサポートも期待できなかった。それでも本田は徐々に本領を発揮。ドリブルでボールを保持しながら、周囲の攻め上がりを待ち、攻撃に厚みを加えた。同44分には、ゴールライン近くまで左サイドを深くえぐり、左足クロスをFWネチドの頭にあわせた。

 この場面はネチドがファウルをとられ、プレーが無効になったが、2分後にも左サイドから中央にパス。FWギジェルメが左足でゴールに流し込んだ。後半24分にも、相手DFに腕を引っ張られながらも、ドリブルで中央を突進。相手DFを十分引き付けてから、左サイドを走るMFジャゴエフにスルーパスを出し、好機を演出した。

 3月31日の欧州CLインテル戦直前に負傷した左足首の痛みが長引き、今月11日のアラニア・ウラジカフカス戦では先発を外れた。前節17日のロコモティフ・モスクワ戦では、相手に6割前後のボールキープを許す劣勢を打開できず、後半29分に交代を指示された。この試合でも終盤に、プレーの合間に疲れた表情を見せる場面があったが、それでもフル出場。走行距離も、チームトップクラスの11キロ台中盤まで伸びた。

 モスクワ市内テロ事件のため延期されたゼニト戦が加わることで、この日から5月14日のルビン・カザン戦まで、中3日で6試合という「死の連戦」が続く。本田にとってW杯直前の最後の試練だが、まずは幸先よいスタートを切った。

 [2010年4月25日8時59分

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