ロシア1部CSKAモスクワから、ACミランへ移籍した日本代表MF本田圭佑(27)が最初の壁にぶち当たった。本田は8日、胃腸炎のためアウェーのナポリ戦を欠場。移籍直後は絶賛していた地元メディアも、これでもかという「ダメ出し」の嵐を見舞った。

 8日付ガゼッタ・デロ・スポルト紙は「本人も想像していなかったほど高い困難の壁にぶち当たり、その野心は打ち砕かれた」と報道。最初は多かった日本人メディアが日ごとに少なくなり、イタリア杯・スペツィア戦で初ゴールを挙げた後は、無名の選手のようにチーム内での存在感がなくなってしまったと記した。

 同紙は、胃腸炎が治った後が本田にとっての正念場だという。本田と同じ病を患ったMFカカだが、絶対的な地位を保っており、レギュラーは安泰。フラムから獲得したモロッコ代表MFターラブトもセードルフ監督の肝いりで呼んだ選手だけに、今後は先発として起用されることが濃厚だ。本田は中盤の残り1枚を、ロビーニョ、サポナラ、モントリーボらと毎回争うことになるという。

 単純にMFの枠だけでなく、ポジションの問題もある。本田とカカはともにトップ下で輝く選手。共存するにはどちらかがサイドに適応しなければならない。本田は欧州チャンピオンズリーグには出場できないため、アピールの場は限られる。逆境をはね返すしかない。(波平千種通信員)