<練習試合:ACミラン3-0チバス>◇6日(日本時間7日)◇米テキサス州ヒューストン

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が練習試合のチバス(メキシコ)戦で先制点をアシストするなど、計2点に絡むプレーでレギュラー確保へアピールした。右ウイングで先発出場し、前半20分に右足クロスでFWニアンの得点を生んだ。チームは米国遠征の最終戦で、4試合目にしてようやく初勝利。本田はフィリッポ・インザギ新監督(40)からも高評価を得た。

 本田は体をひねり、DF2人の間から右足クロスを上げた。ゴール前に飛び込んできたニアンが反応。驚異的な身体能力を生かし、ねじ込んだ。前半20分。ドンピシャの完璧アシストではなかったが、背番号10のパスから先制点が生まれた。得点とアシストを高く評価するセリエAで生き残るため大きなプレーだった。

 同8分には左のニアンからの絶好のクロスを決められなかった。それだけに、価値あるアシスト。後半27分には本田-エシエンとつなぎパッツィーニが決めた。後半28分に交代するまで2点に絡んだ。

 主に米国で開催された国際チャンピオンズ杯で、ミランは3戦全敗で敗退。これが遠征の最後の試合だった。インザギ新監督は現状のベスト布陣で臨んだ。チーム合流後、4戦連続で起用された右ウイングが定位置。ただ、確約はない。左ウイングに出遅れている新加入のメネズが戻ればニアンとエルシャーラウィという圧倒的スピードを持つライバルとの争いになる。加えてクラブは右ウイング適性がある左利き選手を移籍市場で探しているとされる。中盤に下がっても激戦区。アピールできなければベンチ入りも危うくなる。

 チバス戦では偶然ピッチを囲む電子看板に大手自動車メーカー・ホンダの現地法人によるとみられる「HONDA」の広告が浮かび上がった。白地に赤い5文字は、前半アウェー用の白いユニホームを着用したミラン本田そのものだった。相手のチバスは日本代表アギレ新監督の古巣。メキシコのチームらしく激しく、荒いプレーの相手に結果を残した。

 指揮官にも強い印象を与えた。クラブ公式サイトによると、新監督は「バロテリ、ニアン、パッツィーニの前線はとてもよくやっていた。中でも、私は常に高いスピリットでいる本田のプレーも強調したい」とのコメントを残した。セリエA開幕まで約3週間。本田の戦いは続く。