00年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子氏(43)が「五輪選考一発勝負論」に対する見解を語った。

 レース後に日本陸連理事ではなく「元選手の目線で」と前置きして持論を展開。「もし1本にするとしても、その後を想定しないといけない」と、今後の選考方法見直しに向けて警笛を鳴らした。

 リオデジャネイロ五輪代表選考では、大阪国際マラソンで設定記録突破の2時間22分17秒で優勝した福士加代子(ワコール)が、選考基準上「即内定」とはいかずに議論を呼んだ経緯がある。

 選考会の一本化も叫ばれる中、高橋氏は「私は3本のレースに成長させてもらったし、招待選手に選ばれると自信になった。今、実業団で頑張っている選手がたくさんいる中で、もし1本になれば(招待選手も)その分減る。(五輪)選考はクリアになっても、露出も減るし、人気が落ちてしまうかもしれない」と真剣なまなざしで語った。