全国高校総体(インターハイ)第3日は30日、大分県などで7競技が行われ、体操女子は、村上茉愛(東京・明星)が床運動、跳馬、団体総合の3冠に輝いた。村上とともに世界選手権(9~10月・ベルギー)に出場する寺本明日香(愛知・名古屋経大市邨)は個人総合、段違い平行棒、平均台の3種目を制した。男子は早坂尚人(千葉・市船橋)が個人総合、跳馬、団体総合の3種目で優勝。床運動は白井健三(神奈川・岸根)が2連覇した。

 村上が、全種目を通じて2つしかない最高H難度の技を、床運動で両方とも成功。大技連発で15・100点をマークした身長145センチの大器は「世界選手権では、きょう以上の演技で金メダルを取りたい」と自信たっぷりに宣言した。

 幕開けは予選で初成功した「後方伸身2回宙返り1回ひねり」。これを事もなげに決めると、続く「シリバス(後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり)」も豪快に跳んだ。勢いあまってラインを越えて減点されたが、初めて挑んだ構成を披露しきれたことが何よりの収穫だった。

 明星の大野和邦監督は「H難度を2つ入れる選手は世界で1人だけ。映像が海外に流れたら衝撃が走るだろう」と言う。周囲の驚きをよそに、本人は「普通の構成。不安もなかった」とさらり。強靱(きょうじん)な脚力と、物おじしない精神力。大舞台にデビューする瞬間が、ますます楽しみになった。