川崎重工業は9日、オートバイの世界選手権シリーズ最高峰クラス、モトGPへの参戦を今年から休止する、と正式発表した。2003年から本格的に参戦したが、世界的な金融危機による景気悪化で、2輪車販売が落ち込むなど経営環境が厳しい上、成績も低迷しているため。参戦経費は年間約40億円という。

 モトGPには、川崎重工を含め国内2輪車大手4社がすべて参戦しているが、これで一角が欠ける。ただホンダとスズキ、ヤマハ発動機はモトGPに09年も参戦する見通し。

 自動車業界では、ホンダがF1シリーズから、富士重工業が世界ラリー選手権(WRC)からそれぞれ撤退し、スズキもWRCの休止を決めている。今後も景気低迷を受け、自動車関連ではモータースポーツの活動縮小の動きが続きそうだ。

 モトGPは、日本を含めて世界で年間18戦開催されており、オートバイファンらの人気が高い。川崎重工は07年の日本グランプリなどで3回準優勝した実績があるが、08年はメーカー部門の年間総合順位が5位と、最下位だった。