トヨタ自動車がグループ会社「富士スピードウェイ」(静岡県小山町)での「F1日本GP」開催から撤退を検討していることが29日、分かった。世界経済危機による自動車販売不振で、2年連続の巨額赤字が見込まれる中、コストを削減するのが狙い。レース自体も運営費用がかさみ、赤字を出していたという。F1シリーズに参戦中のチームとは別問題で、今後も継続して参戦する方針だ。

 日本GPは富士スピードウェイとホンダ系の「鈴鹿サーキット」(三重県鈴鹿市)で隔年開催されており、今年10月には鈴鹿で行われる。来年は富士で開催の予定。

 トヨタは00年に富士スピードウェイを買収。約200億円を投じて改修し、F1の開催権を獲得して07年から日本GPを実施している。1年目に準備不足などから、観客が会場と近くの駅などを結ぶバスを数時間も待たされるなどのトラブルが発生。信頼回復のため、2年目はバスを増発し、入場者を制限するなどの対策を取ったことで赤字幅が増えていた。

 モータースポーツをめぐっては、昨年末にホンダがF1からの撤退を発表するなど、自動車メーカーの間に撤退や縮小の動きが相次いでいる。