3月の世界選手権で銀メダルの羽生結弦(20=ANA)が、今季自己最高となる96・27点をマークした。2位の閻涵(えんかん、中国)に9点以上の大差をつけて首位に立った。

 曲が始まってもしばらく動かない、独特の振り付けでスタート。冒頭の4回転トーループを決め、客席をどよめかせた。演技後半の連続3回転ジャンプで転倒した以外はノーミスで滑りきり、出場選手中ただ1人90点台をたたき出した。

 それでも演技を終えると悔しそうに顔をしかめた。ファンから大量の花束や好きなキャラクターであるプーさんのぬいぐるみが投げ込まれる中、チームメートに向かって申し訳なさそうに両手を合わせた。

 世界選手権で金メダルを逃した悔しさを晴らすためにもミスなく終えたいところだったが、ジャンプでの転倒に「またくやしいですね。自信はあったけど、なかなか難しい。もっと練習します」と苦笑いした。4回転トーループ、トリプルアクセルはほぼ完璧に決め「正直びっくり。いいジャンプが飛べた。ホッとしています」と胸をなでおろしていた。