錦織が、逆転で18歳の挑戦を退けた。2連覇を狙う世界6位の錦織圭(25=日清食品)が、2-6、6-1、6-2の2時間6分で、同38位で10代選手として最も世界ランクが高いチョリッチ(クロアチア)を退け、2回戦では同50位のクエリー(米国)と対戦する。

 ここは有明だ。18歳の新星といえども、前年度優勝者、トップ10、そして経験豊富な年上として、ホームで負けるわけにはいかない。錦織は見事な逆転劇で「自分のペースに引き戻せた。内容では満足している」と、2連覇に向け難敵相手に初戦を突破した。

 第1セットは、相手の鉄壁の守備に、決め急いだ。「焦りもあった」。初対戦で、サーブのコースも読みづらく、得意のリターンが入らなかった。しかし、「悪いところは分かっていた」と、第2セットからは見事に修正。相手のサーブにも対応し、適応した。

 8月下旬の全米でまさかの1回戦負け。今大会前に、国別対抗戦のデ杯で2勝を挙げたが、個人戦では約1カ月ぶりの勝利だ。「しっかり勝ててうれしい」。錦織人気で、開幕初日としては初の1万人超えで、過去最高の1万314人の観客の声援を受け、力強いガッツポーズで締めくくった。

 2回戦には、また強敵が立ちはだかる。強サーブが売りのクエリーだ。対戦成績は3勝3敗と五分。2月に優勝したメンフィスオープンでは、準決勝で対戦し、フルセット勝ちと苦戦した。「リターンをしっかり集中して、自分のサーブも落とさないようにしたい」。2連覇に向けタフな戦いが続く。