中学生が五輪メダル候補に浮上した。女子100メートルバタフライで東京・小岩第四中3年の池江璃花子(15=ルネサンス亀戸)が57秒56の日本新記録で優勝した。従来の加藤ゆかの記録を0秒21更新。中学生の日本新記録は96年の青山綾里以来、19年ぶりとなった。

 勢いが止まらない。15歳の池江は持ち前の大きな泳ぎで、世界選手権200メートル金メダルの星や外国勢をぐんぐんと引き離した。19年ぶりの中学生の日本記録は今夏の世界選手権4位相当の好タイム。レース後は「まさかこんなタイムが出るとは」と涙を流した。

 隣のレーンで泳いだ星も「速い。追い詰めてもターンで引き離された」と驚きを隠せない。14年ぶりの中学生代表だった世界選手権後は全国中学(秋田)世界ジュニア(シンガポール)国体(和歌山)とハード日程をこなし好記録を連発。5日前までのグアム合宿で疲労もある中、底知れぬ強さを見せた。

 日本水連の上野強化本部長は「56秒台が見えてきた。メダルに近づいてきた」と期待を込めた。無限の力を秘めた15歳は「水泳が楽しい。目標は五輪メダル。第1ステップと考えて、タイムを伸ばしたい」。20年東京五輪の星が、来年リオの星へ急成長を遂げている。

 ◆池江璃花子(いけえ・りかこ)2000年(平12)7月14日、東京都生まれ。3歳10カ月で水泳を始める。今年8月の世界選手権は、中学生として14年ぶりに代表入り。400メートルリレーと800メートルリレーでリオ五輪出場枠獲得に貢献した。足のサイズは25・5センチ。167センチ、54キロ。