男子フルーレ個人の決勝トーナメントが行われ、昨年の世界選手権覇者で世界ランキング1位の太田雄貴(森永製菓)が1回戦で119位のバプティスト・モラン(フランス)に敗れる波乱があった。太田とともに12年ロンドン五輪団体で銀メダルを獲得した千田健太(阿部長マーメイド食品)は2回戦でアレクサンドレ・シド(フランス)に敗れ、日本勢は姿を消した。7日はリオデジャネイロ五輪出場権が懸かる団体が行われる。

 太田が21歳の伏兵に足をすくわれた。本来の剣さばきとフットワークが影を潜めて1回戦敗退。「相手がどうこうでなく自分の問題」と受け止めた。14-12とリードを奪いながら、予想外の逆転負け。頂点に立った昨年の世界選手権以降は「コンディションづくりに苦労している」と調子が戻らず「自信があれば前に行ける場面。それが下がってしまった」と嘆いた。

 個人ではリオ五輪出場が確実な状況だが、4年前のロンドン五輪で銀メダルに輝いた団体は土俵際に追い込まれている。五輪に出場するには世界ランキング4位までに入るか、5位以下の場合はアジア・オセアニア勢で1位になる必要がある。現在6位の日本は現実的には5位の中国がトップ4に返り咲くのを願うしかない。30歳のエースは「団体は数%の可能性を信じて戦うだけ」と気持ちを切り替えた。